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鉄道・駅務員の熱中症対策— ホームと車両点検

公開: 2026年9月2日

鉄道・駅務員の作業は、
ホーム上の旅客誘導、
車両点検、
構内清掃が夏季に負荷を増します。
ホーム上は日陰が少なく、
車両空調排熱と照り返しでWBGTが上昇し、
早朝から午後まで勤務が続く点がリスクです。
本記事ではホームと車両点検を前提にした判断ポイントを整理します。
対策の中心は「ホーム別実測」と「点検・誘導の交替」です。
通勤ラッシュ時は長時間立位が続き、
交替が後回しになりやすい時間帯です。
車両空調排熱はホーム端と車両間でWBGT差が出るため、
高い方を判断基準にします。
混雑日は追加人員を配置し、
1人当たりの連続立位時間を30分以内に抑えます。
車両到着前後は排熱の影響を受けやすいため、
ホーム端で再測定を行います。
朝礼では表の該当行を読み上げ、
全員が追加対策を口頭確認します。
体調に不安がある作業者は、
その日の作業強度を一段階下げるルールを設けます。

1. 鉄道・駅務現場のリスク

1-1. ホーム上の日射

ホーム上は日陰が少なく、
車両空調排熱と照り返しで立位作業者の体感温度は予報値より高くなります。
WBGT計は作業者の立位高度に設置し、
ホーム端と車両間通路で別々に測定します。
測定値は勤務開始前と10時の2回を原則とし、
差が大きい日は厳しい方を採用します。
作業環境記録の付け方も参照してください。

1-2. 車両点検・清掃

車両下点検や構内清掃は立位が続き、
制服着用で発汗が増えます。
30分ごとの交替と15分/時の短休憩を手順に組み込みます。
道路工事・舗装の暑さ対策も参照してください。

1-3. 長時間立位・誘導

旅客誘導は長時間立位が続き、
混雑時は休憩が後回しになりがちです。
2時間ごとの交替と15分/時の短休憩を原則とし、
混雑日は追加人員を配置します。

2. 作業判断とスケジュール

2-1. 点検・清掃時間帯の調整

夏場は車両点検・構内清掃を早朝〜10時に集中し、
午後は事務・軽作業へ切り替えます。
予報WBGTと組み合わせ表を照合し、
午後のホーム立位時間を短縮する日も事前に決めます。
WBGT予報と作業強度の組み合わせ表と照合してください。

2-2. ホーム別交替

同一ホームへの連続立位を避け、
2時間ごとに別ホームまたは事務室へ移動する交替表を作成します。
移動時間も休憩としてカウントし、
交替未実施日は日報に理由を1行残します。

2-3. 混雑日の人員配置

通勤ラッシュ時は誘導要員を増やし、
1人当たりの連続立位時間を30分以内に抑えます。
混雑日の人員配置表を夏前に作成し、
欠員時の代替手順も掲示します。
交通誘導・道路規制作業の暑さ対策も参照してください。

3. 現場で取るべき対策

3-1. 水分・冷却装備

1人当たり電解質入り飲料2リットル以上、
冷却タオル、
帽子を持参必須とします。
持参量不足で出勤した場合は勤務開始前に事務室へ戻るルールを設けます。
水分・塩分補給の周知と実施記録も参照してください。

3-2. 駅構内休息スペース

各ホーム近くに空調または扇風機付き休息スペースを1か所指定し、
15分/時の短休憩を原則とします。
冷却スポットを常備し、
夏前に点検記録を更新します。

3-3. 新人・季節工の段階投入

駅務慣れが不十分な新人は初日は事務室近くの軽作業のみとし、
翌日から段階的にホームへ移行します。
暑熱順化計画書の進捗も同時に確認し、
個人別の移行計画表を用意します。

4. 記録と振り返り

4-1. ホーム別WBGT記録

各ホーム端でWBGTを測定し、
作業短縮・交替を行った日は理由を1行で残します。
ホームごとに数値差が大きい日は高い方をその日の判断基準とします。
事案記録の残し方も参照してください。

4-2. 交替・休息実施記録

当日の交替表と実際の移動記録を照合し、
未実施があれば翌日の重点確認項目にします。
代理応答の有無も同じ行に記載します。

4-3. シーズン終了時の集計

7〜9月の交替・短縮日数、
ホーム別最高WBGTを集計し、
翌年の勤務計画へ反映します。
事案ゼロでも振り返り会議を実施し、
休息スペース更新の優先順位付けにも活用します。
混雑日の交替未実施記録も集計し、
翌年の rush 時人員表へ反映します。

5. 作業場所別リスク整理表

5-1. 場所の分類基準

作業場所を「ホーム/点検/清掃」の3区分に分類し、
区分ごとに最低限の対策セットを文書化します。
分類は春のリスクアセスメント更新時に見直します。

5-2. 判断表(例)

作業場所追加対策
ホーム誘導・立位2時間/時交替・15分/時休憩・混雑日追加人員
車両点検・清掃30分/時交替・1時間ごと水分・午前中集中
構内清掃・外回り日陰休息地点指定・2名1組

表は朝礼前に該当行を読み上げ、
その日の追加対策を全員で確認します。

5-3. 表の更新タイミング

ホーム改修や勤務体制変更時は表へ行を追加し、
版数と更新日をフッターに記載します。
更新後は全作業者へ配布し、
旧版回収日も管理台帳に残します。

6. 朝礼と当日判断の流れ

6-1. 出発前5分の確認項目

事務所出発前に「予報WBGT・担当ホーム・交替表・水分携行量・休息地点・連絡間隔」の5項目を口頭確認します。
確認結果は作業日誌の先頭行に記入し、
変更があった場合は理由を同じ行に追記します。
未確認項目がある場合は出発を保留し、
確認完了後に作業を開始します。

6-2. 現場到着後の実測

ホーム端でWBGTを1回測定し、
予報より2度以上高い場合は作業開始を30分遅らせるか軽作業へ切り替えます。
測定値・判断・実施した対策を作業環境記録に残し、
午前中に再測定を実施します。
ホーム端と車両間通路で数値差が大きい日は高い方の測定値をその日の判断基準とし、
低い側の作業も同じ基準で短縮します。

6-3. 帰庫時の振り返り1行

各作業者が「今日いちばん暑かったホーム」「休憩が足りなかった時間帯」を1行ずつ日報へ記載します。
班長は翌朝前日の記載を読み上げ、
同じ見落としが繰り返されないよう対策を調整します。
週次で集計した振り返り行は安全衛生委員会資料の添付として保管します。

よくある質問

Q. ホーム上の立位誘導は対象になりますか?

連続1時間以上または1日4時間超の作業があれば対象になり得ます。
立位誘導時間を合計し、
記録を残してください。

Q. 車両空調排熱の影響は?

停車中の車両から排熱が出るため、
ホーム端と車両間でWBGT差が大きい日があります。
高い方の測定値をその日の判断基準とします。

Q. 通勤ラッシュ時に休憩が取れません

混雑日は事前に追加人員を配置し、
1人当たりの連続立位時間を30分以内に抑えます。
交替未実施日は日報に理由を残し、
翌日の人員配置へ反映します。

Q. 夜間の車両点検も対象ですか?

夜間でも湿度が高い日はWBGTが基準に達することがあります。
夜間帯も測定と記録を行い、
基準超過時は時間短縮を検討します。

Q. 秋の残暑期も同様ですか?

ホーム作業は残暑期も続くため、
同様の交替と記録を継続します。
秋口の残暑対策も参照してください。

まとめ

鉄道・駅務員はホーム上の長時間立位と車両排熱が重なり、
ホーム別実測と交替をセットで運用する必要があります。
早朝点検、
混雑日の人員配置、
休息スペースの整備を徹底してください。
シーズン終了時に交替・短縮日を集計し、
翌年の勤務計画へ反映させてください。

注意

本記事は運用の観点整理であり、法的助言・医療的判断ではありません
個別の症状・対応については 専門家・医療機関にご確認ください。

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