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空港グランドハンドリング— 熱中症対策

公開: 2026年9月2日

空港グランドハンドリングは、
滑走路際・エプロン・荷物搬送区画で日射と排熱が集中します。
航空機エンジン排熱とアスファルトの照り返しでWBGTが上昇し、
時間帯によって作業が集中する点がリスクです。
本記事ではグランドハンドリングを前提にした判断ポイントを整理します。
対策の中心は「区画別実測」と「便ごとの休息確保」です。
到着便が集中する時間帯は、
便間休息が取れないまま荷物搬送が続きやすい構造です。
航空機エンジン排熱の影響は停止後も残るため、
再測定後に作業強度を決めます。
反射ベスト着用日は便間休息を必ず確保し、
休息時はベストを外して冷却します。
便間の15分休息は荷物搬送の合間に必ず確保し、
未実施は日報に記載します。
朝礼では表の該当行を読み上げ、
全員が追加対策を口頭確認します。
体調に不安がある作業者は、
その日の作業強度を一段階下げるルールを設けます。

1. グランドハンドリングのリスク

1-1. エプロン・滑走路際

航空機エンジン排熱とアスファルトの照り返しにより、
立位作業者の体感温度は予報値より高くなります。
WBGT計は作業者の胸元高度に設置し、
エプロン待機地点と荷物搬送路で別々に測定します。
測定値は便到着前と作業開始10分前の2回を原則とし、
差が大きい日は厳しい方を採用します。
作業環境記録の付け方も参照してください。

1-2. 荷物搬送・ベルトローダー

荷物搬送は立位が続き、
反射ベスト着用で発汗が増えます。
30分ごとの交替と15分/時の短休憩を手順に組み込みます。
運送業の熱中症対策も参照してください。

1-3. 地上走行車両運転

トーイングカーやバス運転席の冷房不足も負荷になります。
1時間ごとの停車休憩と冷房点検を手順書に明記し、
故障時は運転中止を原則とします。
タクシー・バス運転手の車内暑さ対策も参照してください。

2. 作業判断とスケジュール

2-1. 便スケジュールと休息の確保

到着便の集中時間帯は人員を増やし、
便間の15分休息を必ず確保します。
予報WBGTと組み合わせ表を照合し、
基準超過日は荷物搬送人数を増やして作業時間を短縮します。
WBGT予報と作業強度の組み合わせ表と照合してください。

2-2. 日陰待機地点

エプロン近くに日陰またはテント待機地点を設け、
航空機待ち時間を日陰で過ごすルールを徹底します。
待機地点の点検記録を夏前に更新します。
車中待機・駐車場作業の暑さ対策も参照してください。

2-3. エンジン排熱の影響

航空機エンジン稼働中は近接禁止区域を拡大し、
排熱が弱まってから作業を開始します。
稼働中と停止後でWBGTを再測定し、
厳しい方を採用します。
梅雨時の熱中症リスクも合わせて確認してください。

3. 現場で取るべき対策

3-1. 水分・冷却装備

1人当たり電解質入り飲料2.5リットル以上、
冷却タオル、
帽子を持参必須とします。
反射ベスト着用日は追加で500mlを配布し、
持参量不足時は作業開始前に事務所へ戻ります。
水分・塩分補給の周知と実施記録も参照してください。

3-2. 便間休息の確保

到着便処理後15分の冷却休息を原則とし、
連続2便以上の場合は中間休息を10分延長します。
休息地点はエプロン近くの日陰または空調休憩室に固定します。

3-3. 新人・派遣工の同伴

エプロン慣れが不十分な新人はベテランと2名1組にし、
初日は荷物搬送のみに限定します。
暑熱順化計画書の進捗も同時に確認し、
個人別の移行計画表を用意します。

4. 記録と振り返り

4-1. 区画別WBGT記録

エプロン待機地点と荷物搬送路でWBGTを測定し、
作業短縮・中止を行った日は理由を1行で残します。
便ごとに最高WBGTを記録し、
集中時間帯の傾向を把握します。
事案記録の残し方も参照してください。

4-2. 便間休息実施記録

便間休息の実施有無を日報に記載し、
未実施があれば翌日の重点確認項目にします。
代理応答の有無も同じ行に記載します。

4-3. シーズン終了時の集計

7〜9月の中止・短縮日数、
区画別最高WBGTを集計し、
翌年の人員配置計画へ反映します。
事案ゼロでも振り返り会議を実施し、
日陰設備更新の優先順位付けにも活用します。
便集中時間帯の最高WBGTも一覧化し、
繁忙便の人員配置へ反映します。

5. 作業場所別リスク整理表

5-1. 場所の分類基準

作業場所を「待機/搬送/運転」の3区分に分類し、
区分ごとに最低限の対策セットを文書化します。
分類は春のリスクアセスメント更新時に見直します。

5-2. 判断表(例)

作業場所追加対策
エプロン待機・誘導15分/時休憩・日陰待機・エンジン排熱距離確保
荷物搬送・ベルトローダー30分/時交替・1時間ごと水分・2名1組
地上走行車両運転冷房点検済み確認・1時間ごと停車休憩

表は朝礼前に該当行を読み上げ、
その日の追加対策を全員で確認します。

5-3. 表の更新タイミング

ターミナル拡張や便スケジュール変更時は表へ行を追加し、
版数と更新日をフッターに記載します。
更新後は全作業者へ配布し、
旧版回収日も管理台帳に残します。

6. 朝礼と当日判断の流れ

6-1. 出発前5分の確認項目

事務所出発前に「予報WBGT・担当便・区画・水分携行量・休息地点・連絡間隔」の5項目を口頭確認します。
確認結果は作業日誌の先頭行に記入し、
変更があった場合は理由を同じ行に追記します。
未確認項目がある場合は出発を保留し、
確認完了後に作業を開始します。

6-2. 現場到着後の実測

エプロン入口でWBGTを1回測定し、
予報より2度以上高い場合は作業開始を30分遅らせるか軽作業へ切り替えます。
測定値・判断・実施した対策を作業環境記録に残し、
午前中に再測定を実施します。
待機地点と搬送路で数値差が大きい日は高い方の測定値をその日の判断基準とし、
低い側の作業も同じ基準で短縮します。

6-3. 帰庫時の振り返り1行

各作業者が「今日いちばん暑かった区画」「休憩が足りなかった時間帯」を1行ずつ日報へ記載します。
班長は翌朝前日の記載を読み上げ、
同じ見落としが繰り返されないよう対策を調整します。
週次で集計した振り返り行は安全衛生委員会資料の添付として保管します。

よくある質問

Q. エプロン作業は屋外扱いになりますか?

連続1時間以上または1日4時間超の作業があれば対象になり得ます。
便待機時間も合計時間に含めて管理し、
記録を残してください。

Q. 航空機エンジン稼働中の作業は?

排熱区域を拡大し、
エンジン停止または排熱が弱まってから近接作業を開始します。
稼働中の接近は原則禁止とし、
例外は日報に理由を残します。

Q. 反射ベスト着用で発汗が増えます

ベスト着用下では水分補給量を通常より多めに設定し、
1時間ごとの短休憩を徹底します。
休息時はベストを外して冷却を優先します。

Q. 深夜便も対象ですか?

深夜でも湿度が高い日はWBGTが基準に達することがあります。
深夜帯も測定と記録を行い、
基準超過時は人数増で時間短縮を検討します。

Q. 秋の残暑期も同様ですか?

エプロン作業は残暑期も続くため、
同様の便間休息と記録を継続します。
秋口の残暑対策も参照してください。

まとめ

空港グランドハンドリングはエンジン排熱と便集中が重なり、
区画別実測と便間休息をセットで運用する必要があります。
到着便の人員配置、
日陰待機、
WBGT記録を徹底してください。
シーズン終了時に短縮・中止日を集計し、
翌年の人員配置計画へ反映させてください。

注意

本記事は運用の観点整理であり、法的助言・医療的判断ではありません
個別の症状・対応については 専門家・医療機関にご確認ください。

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